2020/05/02(Sat.) 踏み台 [長年日記] この日を編集
■ [Review][Book] 砂川雨路『ご懐妊』がやたら面白い
これは昨年の夏のことか。街歩きの一環でリブロ江坂店を訪れていたら、気になる本を見つけた。
絵に惹かれた、というやつだ。文庫を手に取ると、所謂デキ婚系の小説のようだ。「苦手な上司とデキ婚」ってそんなことあるのかよ、と思いつつ、表紙絵に惹かれるものがあった。ジャケ買い……すれば良いのだが、基本は電子書籍があるか確認して買う制度になってしまっており、リブロで買うことは無いのであった。結果、電子書籍があることが分かったのでそちらで購入。
購入して半年は経っていたか。或る日読み始めたら一気に読んでしまった。ちょうどその時期に電子版でも続巻が出たので仕事帰り深夜0時から読み始めて2時間で読了。久々に何度か読み返してしまった。
ここから先はケータイサイトで先行して読んでいたのだが、4/28書き下ろし含めた新刊がようやく発売……が電子書籍は5/1販売開始なのであった。
元は小説投稿サイト・ベリーズカフェの人気ノベルの書籍化のようだ。ケータイ小説の系譜を引いていると言える。スターツ出版文庫版ではかなり手を加えていて、読みやすくなっている*1。文体がハマるものがある。人物も必要最低限ながら各人良く描けているのだ。恋愛要素もあるのだけど、普通の出産ものというのは存外少なく、未婚子なしだと聞き及んでいること知らないこと諸々あり、興味深く読めてしまった。歴史小説だと、「恋愛が後付け」というケースは多々あるが、現代小説ではケースも少なく、意外と穴場がそこにあったかもしれない。一方で、出産までと育児はあるあるで、経験していないと発見が多いし、経験していると懐かしみも多いかもしれない。この感じで小1の壁とかあらゆるテーマかがかけそうだが、第3巻で内容は完結。惜しいけどこればっかりは筆者の心一つだよな。
電子書籍では出会うことはなく、リアル書店に新刊が並べられることがなければ出会ってない類の本だった。これだから紙の本は捨てがたいのだが、手元にストックすることが残念ながら出来ないのだ。どうにかしてセレンディピティ代を還元したいものなのだが。
蛇足:本当普通に面白い小説なのだが、twitter検索すると「小説 砂川雨路の「ご懐妊」出産に関心あったのでサクサク読めました(*´ω`)」という書き込みが複数アカウントでコピペされているように見える。このマーケティングだけが惜しい。
(追記:2020/5/15)OpenBDに書影が登録され、「(仮)」がついていた書籍名も更新されたようなのでGoogleBooksからOpenBDに書影を切り替えます。2巻とか少し経ったタイミングで(笑)
*1 第1巻だとケータイサイト側に削られたエピソードが多数あり、それはそれで面白い。2巻はほぼそのまま、3巻は逆に文庫側に書き下ろし多数という形態。
2020/05/04(Mon.) 今、どうですか? [長年日記] この日を編集
■ [お知らせ][ETilog] ETilogで利用する書影・商品画像について
ETilog.netにおいてはAmazonと断交し、商品紹介を以下に切り替えました。
- 書籍
- その他商品
- カエレバ(楽天API利用のサービス。リンクは楽天・Yahoo!ショッピング限定)
ETilog.netははてなダイアリーを利用していた「TOKYO REVIEW SHOW」を原典とする期間が比較的長いです。はてなダイアリーでは同サービスの機能である「はまぞう」を利用してAmazonや楽天の商品紹介機能を利用していました。はてなダイアリープラスも利用していましたが、アソシエイトプログラムは利用せず、基本ははてなの売上に計上されるようにしていました。
tDiaryに移行した際、楽天リンクはAmazonに移行し、tDiaryのAmazonプラグインを活用する形に改めました。tDiaryもはてなダイアリーも大昔からあるのでそうですが、アフィリエイトIDを必須としない、あるいは他人のアフィリエイトID利用でも構わないという形でした。が、Amaoznアフィリエイト規約が変更となり、自身のIDを原則とするように変わっていきました。
そこで、私が関わっているプロジェクトの公式ブログ「BLOG M」においては既にAmazonアフィリエイトを利用していることから「サイトの追加」という形で申請を行いました。が、2019年9月に申請却下され、怪しい箇所を修正後2019年11月に再申請しても再度却下されてしまいました。
「プログラム参加申請をお断りするサイト例」を読み、ネット記事もよく読み改善したのですが、リジェクト。……実際には、「BLOG M」はアフィリエイトにあまり力を入れていないこともあり、売上がゼロなあたりもあるかとは思いますが。しかし、却下理由が明確でない以上、あらゆる可能性の却下事由を考えざるを得ません。既存コンテンツの何かが起因とすると、正直言論封殺のレベルと言わざるを得ない。当方はアフィリエイトで生活したいわけでなく、単に商品紹介をしたい、画像を利用させてくれるなら売上はAmazonで全部活用してもらって構わない…のですが、営業ノルマが上がらないなら画像等は使わせない、というのが今のAmazonの方針のようです。
事ここに至り、ETilogにおいてはAmazonと絶縁することを決意しました。……が、書影はやぱり使いたいので、代替を探すことに。結局OpenBDに至りつき*1、プラグインを自作のうえ*2やっと書籍リンクを復活させられました。9ヶ月近くリンクが完全欠損していたということで、申し訳なし。
一言で要約すると「Amazonはクソ」なのですが……
楽天でもYahoo!ショッピングでも商品が無くリンクの張りようがない商品は、「ただのAmazonへのリンク」として残しています。本気の関係清算という観点ではそれも削除したほうが良いのだろうなあ。
あと、そんなこと言ってる割にはプライム会員だし、Kindleヘビーユーザなわけだけど。前者はともかく、後者について言うとE-ink端末を保有する他の電子書籍プラットフォームがAmazon以上のクソだから仕方ないよな。。。
- Kobo
- 楽天Rabooの前科あり
- Sony Reader
- mora winの前科あり
- Booklive!(Lideo)
- サービス終了してるじゃねえか
■ [ETilog] OpenBD APIとGoogle Books API
OpenBD、全般に良く出来ていると思う。レスポンスも早い、情報も多い、書影も登録されているものはキレイだ。
だが、先日の記事のように、出版社によっては書籍情報だけ仮で登録して、書影とかまでは登録しないようなケースもある。図書館等で使われている、といっても図書館によってはGoogle Books APIを使っていることもあるようだ。
また、以下の書籍はOpenBDのバックデータにそもそも登録がないようだった。
上記は仕方ないので、Google Books API利用とした。こちらは利用回数上限があるので、出版社とか値段とかは取れない。一方でプレビューは充実していたりもする。文春文庫版堺屋太一『峠の群像』については、OpenBDにもGoogle Booksにも登録が無い*1。仕方ないので、最近出た東京書籍版へ張り直しとした。OpenBDについては、リンク先は「版元ドットコム」とした。ここからなら好きな書店へ飛ぶことも可能。ページも軽い。適宜好きなネット書店へ飛べば良いだろう。
*1 こういう時の予備手段として国立国会図書館サーチAPIというのもありか
2020/05/12(Tue.) STEP [長年日記] この日を編集
■ [雑感] 家事で聞きたいことに直面したとき
そう言えばちょっと前に「実家暮らししてきた女性が結婚して家事に直面して、母親に電話して」って話をtwitterで見た。そうやって家事スキル高めたって脈略の中での話しだったと思う。
実際、自分が一人暮らし始めたとき、炊事と掃除を実家の母に電話で聞いた覚えは無いのだよね。洗濯は覚えがある。
食事が不味くても気づかないしレシピはネットで調べることが出来る時代になっていた。掃除も基本は根気・丹念な仕事によるところだったりする。洗濯だけはシミ抜きがどうにも分からず、これは母親に経験があることが明らかだったので何かのタイミングで聞いたと思う*1。
娘-母の関係の場合、うまくいかないケースもあることは承知しているけども、20を過ぎていればなおさら気軽に話しコミュニケーションすることが出来る。が、息子からすると、母はそんなおしゃべりする関係で無くなってるし、家事スキルが父親にない場合もまだ多数だし…といろいろ課題があるように思える。
*1 聞いた内容は忘れたごめん
2020/05/16(Sat.) 反省文 [長年日記] この日を編集
■ [ETilog] きょう5月16日は
tDiaryを最初に書いたのが2004年5月16日のようなので、ざっと16周年ということになる。
じつはアカウントだけ取っていたnoteもそろそろ開始しようかとか思っていて、これも開始を5月16日で揃えると面白いかとか思ったけど、twitter開始が2007年5月13日だったので、少しずつずらした方が面白いかも。
2020/05/29(Fri.) 文句くらい言ったっていいじゃないですか [長年日記] この日を編集
■ [Review][Movie] 映画版「若おかみは小学生!」
人並みにステイホーム、週末は完全禁足とかしてたのだが、どうもEテレでやる「若おかみは小学生!」が素晴らしい、とネットで流れてきたので見てみた。
若おかみは小学生!
講談社
¥580
映画DVDとかはまだのようなので書籍のリンクで。
以下、ネタバレあり。
キレイな作画、まとまりの良さ、テンポ・ディティール等良作だと思う。だが、やっぱり気になるのはラストシーンの設定。正直、「ゆるし」は難しい。大人が見るとそんなわけねーだろ、という気分はある。映画はどうしてもラストを相当に盛り上げなければならず、それゆえ仕方ないところはあるのだろうなと思う。ジブリ映画版「耳をすませば」で中学生の分際でプロポーズしてしまうように(原作にはない)。
ただ、辛い境遇で仕事に逃げる、いや仕事に打ち込むというのはよく分かる。自分もそうだったから。小学生女児で両親を亡くした主人公おっこよりも、客として来た中学生男子のほうがうなだれているのも分かる*1。個人的には中盤の水領さんと買い物で散財するシーンが好きだ。消費こそ娯楽の中でも最高のもの。そこで流れる小林星蘭の「ジンカンバンジー ジャンプ!」も良い。
ラストは納得いってないのだが、別に最後で転けてもいいと思えるところがあれば良い映画なのだと思う。ジュブナイルとしては良い。似たテーマの作品に伊藤実「アイシテル~海容~」があるが、こっちもそんな簡単な訳ねーよとも言えるが、フィクションくらい人は人を許すことが出来てもよいよな、とも思うのだ。
*1 ただ、これはいろいろ個人差があると言える。作中の場合は、おっこが事実を受け止め切れていない事情もあるだろう
何かあればwebmaster@etilog.netまで