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2008/09/03(Wed.) Love is will. [長年日記] この日を編集

[ETilog] 「東九州・鹿児島旅行記」が途中になっている件

GWのこっちの旅行は、あまりに濃かったせいか、つい書く機会を失しているとも。

後半部は書き上がっているのですが、中盤が全く書けていない。

やはり、旅行記を書くのなら、帰ってきてから一気呵成に書くに限りますな。というわけで、富山逃避行に引き続きの旅行記です。

[trip] 北海道5days:企画意図

3年前の夏の終わり、私は7日間にわたって北海道を旅した。

札幌や函館はそれまでにも行ったことがあった。しかし、稚内や根室、釧路に網走、北見といった道北・道東の各都市は未踏であったのだ。それを一気に解消すべく、「北海道フリーきっぷ(現北海道フリーパス)」を使い、当時まだあった深夜特急もフルに使い、徹底的に見て回った。既に廃線が決まっていたふるさと銀河線に加え、札沼線や留萌本線といったローカル線も徹底的に乗った。その頃は仕事の関係で、まとまって遠出することがあまりなかったこともあり、その旅は滋養として私を長く支えてくれた。

その時、いくつかの路線を乗り遺してしまった。是非すべての車窓を目に焼き付けたいというのが、私のささやかな願いとなった。

しかし、乗りたい路線や訪れたい街は、ごまんとあるのである。それでも敢えて「慣れ親しんだ」北海道に行くことにしたのは、二つの街をどうしても訪ねたかったからだ。

ひとつは松前。松前といえば、「信長の野望」シリーズで蠣崎氏が滅亡寸前で大名やってるのが印象的である。しかし、松前は戦国期、中世期から和人の重要な拠点であったわけで、北海道の中では希有な歴史を持ち合わせる場所なのである。

私は城をよく訪れる。城には鉄道で行くわけだが、なんとその松前は木古内から延々とバスに乗らないとたどり着けないらしい。しかし、その松前にも古くは鉄道が通っていたというのだ! その鉄道はあろうことか、廃止されてしまったのだという。旧国鉄松前線がそれなのだが、松前ほどの旧城下への鉄道が廃止されるというのは、当時高校生だった私にとってショッキングな事実であった。私の鉄道、それも国鉄・JRへの哀愁的な興味は、ここから始まったといっていい。その松前城を、是非訪れたかった。

もうひとつは、旭川だ。旭川の三浦綾子記念文学館に足を運び、是非とも見本林を散策したかったのである。

3年前にも旭川を訪れているが、1時間ほど街を散策したのみであった。当時はせいぜい「細川ガラシア夫人」のような歴史小説ものを読んだばかりであったが、「塩狩峠」「氷点」と読み進める度に、三浦綾子作品の文学性、そしてなにより力強く読み進めたくなる筆力の高さに、私はとりこになった。好きな作家はと問われれば、隆慶一郎とともに三浦綾子を挙げたい。これは是非とも旭川を再訪しなければなるまい。

数多の理由を持って、夏季休暇を使っての旅先は、北海道とすんなり決まった。仕事が終わって早く帰ったある日、時刻表を眺めていたらすんなりと旅程も決まった。


さて、今回の旅には珍しい趣向を取り入れた。

旅の途中で、旧い知己に会うということである。

一人旅の最中は、ずっと一人でいて孤独を愉しむというのが、これまでの私のスタイルであった。この形式を自ら破ろうというのである。出来るだけ人と会うことで多くのものを取り入れたい、というのは日常時の私のスタンスであるが、休みの最中までそれを実施するというのは、ひとつの大いなる決断であったかもしれない。あるいは、独りを愉しめなくなった心情上の変化なのかもしれない。

[trip][Train] はやて2号

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2007年3月に岩手を離れて以来、はじめての東北新幹線である。

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それも、はやて2号に乗車だ。

岩手に住んでいた頃は、岩手から東京へ行くときも、東京から岩手へ帰るときもたいてい夜で、盛岡の新幹線からの車窓を愉しむこともすくなかった。盛岡から朝一番の新幹線に乗ることはあっても、東京から朝一番の新幹線で東京へ戻ることはなかった。従って、今回はじめてのはやて2号ということになる。

しかし、東北新幹線は、落ち着く。

太平洋ベルトの興隆たる地帯を行く東海道・山陽新幹線、越後平野の豊穣な田園を突っ切る上越新幹線とは違い、山を越え野を越え、それでも自然と対峙して生きる人々が住まう土地の隣を、東北新幹線は走るわけである。心にあたたかいものを感じる。

盛岡駅

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盛岡着。かつてはここで必ず降りていたのだ。そして、この駅が終着でもあったのだ。盛岡が東北新幹線の終着駅であった時代の最後を、盛岡の街で過ごせたことを、心から誇りに思う。今回は降りまい、と思っていたが、こまちとの切り離しの時間でふらっとホームへ降りてしまった。盛岡の涼しさと、くすぐったくなるような湿度のぬめりが私の体全体を囲った。この日は曇り気味で、岩手山もその堂々たる雄志をすべて見ることは叶わなかったが、それもまた私を形作ってきた岩手の風景であるのだ。いつの日か、ひょんな弾みでふるさとと化したこの岩手に、堂々と戻ってくることが出来ればいい。

八戸乗換

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八戸駅で乗換。乗換客が多い。在来線との乗り継ぎ改札にある自動改札でとまどう人が多い。客が不慣れなこともあろうが、磁気式きっぷで自動改札が詰まることがあることも原因のひとつだと思う。前のおじさんが、乗車券を取り忘れていた。「乗車券忘れてますよ!」と叫んでみたが、気づいてくれない。そのきっぷは駅係員がとって追いかけていってくれたが、乗車券の取り忘れは意外な盲点である。

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在来線特急のホームに降りると、となりにはIGRいわて銀河鉄道の車両が。盛岡行だなんて、懐かしすぎる。

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スーパー白鳥1号で函館まで。席は悉く埋まっていた。青森で多少は客もおり、そのまま青函トンネルへ。青森での座席回転が、懐かしい。

函館に着く

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13時14分、函館着。函館には2度来ている。

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函館駅が新しくなってから降りるのは初めてだ。

[trip] 函館観光

函館駅で、R先輩と待ち合わせ。Rさんは、同じ大学の1コ上の先輩であるが、同じ時期にバイトに入ったことで親しくさせて頂いている。今は函館住まいなので、今回、昼食をご一緒して、少しばかり函館の街を案内頂くことにした。

ラッピ

函館といえば、ラッキーピエロ(通称:ラッピ)である。

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高校の時に修学旅行で訪れたラッキーピエロでも、ハンバーガーを食べている。しかし、ここまで全国区のローカルバーガーチェーンになろうとは、はっきりいって予期してなかった。Rさんおすすめの穴場的店舗で、ふとっちょバーガーをオーダー。

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でかい。というよりも串刺さってるのがすごい。互いの最近の話をしつつ、完食。コロッケがアクセントで食べ出があるハンバーガーでございました。こういうのを食べるのは楽しい。

五稜郭タワー

函館は既に修学旅行であらかた回っており、観光するにも場所が尽きている状態だったのだが、Rさんが「五稜郭タワー新しくなったよ」と教えていただいたので、二人で新・五稜郭タワーへ。

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きょうは夏休みも終わり、だいぶ空いているとのこと。混んでいるときは1時間半待ちもあるらしい。QUICPayで支払ってみたら、50円引きであった。電子マネーで割り引きされるところは、珍しい。

f:id:ettie:20080901223846j:image:w320(2008年)

f:id:ettie:20080903231659j:image:w320(1998年)

新旧両方の五稜郭タワーからの写真。たしかにだいぶ高くなったことが分かる。小綺麗な観光名所に生まれ変われたようだ。


函館の町も車がないと生活できないとのことだが、相変わらず綺麗な町である。横浜や神戸にない、本当の港町を味わうことが出来る唯一の場所かも知れない。Rさんにはこの場を使ってお礼申し上げます。どうもでした!

[trip][Train] 函館本線砂原線

函館本線・室蘭本線は幾度と通っており、食指気味ですらある。しかし、渡島砂原を経由したことは一度もなかった。そこで、そのルートを通るためだけに汽車へ乗ることとする。

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列車はボックスが一通り埋まる程度の混雑。通学路線・生活路線としての姿が垣間見られる。


森駅着。いかめしは時間が時間で既に売っていなかった。KIOSKも閉まった後だったが、宅配ピザが駅舎内で営業しているのが目についた。

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駅前の気温計を見ると14度。そりゃ寒いわけである。駅前のセイコーマートでホットの缶コーヒーを飲みあたたまる。


せっかくなので駅前を歩き回ろうと思い、カメラを取り出すと、なんと同じ場所に入れていた「ぐるり北海道フリーきっぷ」がない! 鹿児島であんな経験をしたばかり|だというのに…またしてもカメラGR DIGITAL2と同じシャツの胸ポケットに入れていたがための紛失である。まわりを見て回るが、見つからない。 先ほど買い物をしたセイコーマートや駅のみどりの窓口へ落ちていなかったか聞いて見るも、ないという。再度落としていたのに気づいた場所を念入りに探してみると、磁気面を上にして雨でべっとりと路面についたきっぷが目の中に入ってきた。……もぅ(苦笑) またしてもすんでの所で首がつながった訳である。

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だいぶ疲れたので、森駅の待合室で休み、列車を待つ。スーパー北斗で函館へ帰る。

この日の宿は函館プラザホテル。名前とは似つかない驚異の格安ホテルだが、フロントの方の「お寒いのでお気をつけて外出下さい」との言葉に参ってしまった。ほんとうの真心をもった数少ないホテルである。

ついでに、この日は会社の同期のT君にいきなり電話して、駅前の美味しい店を教えてもらい、一人カウンターで中ジョッキを飲みながらイカと生ウニ丼を堪能してしまった。iD払いをしたら、店の方が「出来た」と喜んでいた。港町のファッショナブルさと、田舎特有ののんびりさが同居する街、函館。そんな機会を与えてくれたT氏有り難う。

[trip] 江差にて

江差線の旅

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普段より早起き!の7時8分の列車で江差へ。家族連れも乗っていたりと、木古内を過ぎてなおローカル線にあるまじき乗車率である。それでもボックスが埋まると言うほどはないのだが。

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海峡線と別れて先を行く。木古内より先は、開けた山の中をしばらくいく。それでも吉堀を越えての峠越えでは、林の中を行く北海道的鉄道風景が見られた。


天の川とクロスしながら江差駅着。

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またしてもひとつ終着駅に来てしまった。行き着くところまで来た印象を強くしてくれる、駅先の集合住宅。

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江差の町を行く

あまり江差では時間が取れないのでどこへ行くか迷うが、江差町郷土資料館へ行くこととする。

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……閉館してました。本当にありがとうございました。

と、後日調べてみたらGoogleマップでは古いままの場所が載っていただけで、現在は郡役場跡に移っているらしい。どおりで、街中にあちこちある「郷土資料館」への矢印が両方のものが混在してたわけだ。なかなかに誘導は難しいが、途中に移転しましたという看板があっても良かったはずである。残念ながら、後日調べるまでは江差の印象は最低なものだった。檜山支庁なくなって当然だ、奥州市江刺の爪の垢煎じて飲めと。

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町は車の往来も少なく寂しいが、雰囲気は捨てたものではないのである。標識も多く整備され、惜しい感がたまらない。

江差-松前都市間バス

江差駅からバスで松前へ移動。上ノ国などで村内の短距離移動はあるも、乗り通すなんてことをしていたのは私一人であった。途中、漁村のある集落を幾度と通る。子どもたちがキャッチボールをしたりとのどかな風景がひろがる。

松前町役場前で下車。この金額ならバスカードを2000円購入いただければ200円安くなりますよ、江差営業所の運転手氏は勧めてくれた。こうして勧めてくれるバス運転手というのは少ないものである。江差での坂を上っての徒労が、少し和らいだ。

[trip] 松前城、松前藩屋敷、旧松前駅

城下町松前をゆく

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松前町役場は松前奉行所跡でもある。


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松前町郷土資料館へ。こちらはきちんと開館していた。おそらく小学校跡地を使った公民館併設で、3階には図書館もあった。図書館を前に見学。群書類従や日本城郭体系がそろう、地方の図書館らしからぬ蔵書揃えであった。続いて、松前町郷土資料館。こちらの入場料はタダ。かつて受賞歴もあるという展示は、テンポ良く「読みやすい」、資料館のお手本のような展示であった。


松前城址へ。桜の季節はさらに格別だろうが、きょうは雨の松前城である。

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模型が屋外にある城跡も珍しい。

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松前城は日本最後の和式城郭であると同時に、あの第2次世界大戦を乗り越えて天守があった城でもある。失火で燃えることがなければ、現存13天守であったかもしれないのだ。惜しい。復元なった松前城資料館であるが、展示は松前町郷土資料館のほうが濃ゆいように感じた。


松前公園を通り、松前藩屋敷へ行ってみることとする。途中、墓があったりと、ずいぶん地元の人しか使わなそうな道をいく。

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松前藩屋敷は、松前町が気合いを入れてつくった観光施設、ほぼすべての屋敷の中に入って往時の生活を学ぶことが出来る学習施設の面もあるのだが…残念ながら人の賑わいを創出していることはないようである。日光江戸村ほど娯楽にシフトすることもなく、帯に短し襷に長し、松前城址が復元天守ながらもいい雰囲気なだけに惜しい。


と、江差と違い、各ポイントが比較的コンパクトにまとまっているため、ここまで2時間で見学を終えることが出来てしまった。このまま1本バスの時刻を早めても良いのだが、やはり松前駅はみておきたい。

旧松前駅

すぐに松前駅跡が見つかれば、そのまま1本早いバスに乗って、早く宿に着いてのんびりすることも可能なのだが、これが見つからない。ケータイのフルブラウザを使ってPCサイトを見てみるも、写真しか掲載されていないケースがほとんどで、見つからない。迷ったが、ここまできたら松前駅跡に立たずして松前に来た意味はない。そう考え、探し続けることにした。

松前公園の方まで歩いていってしまったり、松前病院の方へ行ったり、ようやく見つかった松前駅跡は、先ほど出た松前藩屋敷から南へ向かう道路をそのまま直進したところであった。

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かつて、賑わいを見せただろう松前駅は、海が見下ろせる高台に位置していた。

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道道の松前停車場線は、江差からのバスでも通った。博多公宅前バス停が、最寄りバス停となる。廃駅はバス停には名前が残っていることも多いが、松前駅の場合には形跡が感じられないのであった。

国道から離れた場所にあったとは言え、ここから観光に出かけた人もいただろう。ここから家路へ戻った人もいただろう。もうここから人がどこかへ向かうことはない。廃線せざるを得なかった鉄路の哀しみが、滲み出る。

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本来予定通りのバスの時刻も近づき、バス停へ。この日札幌まで行く最後の特急に接続する。バスはほぼ定刻通りにやってきた。これが正しいバスの姿である。

[trip][Train] 木古内駅

バスは木古内へ。福島町から移動する地元の方もちらほら。

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さて、木古内駅は一度あたりを散策してみたいところであった。青函トンネルを抜けて最初に止まることの多い木古内。その幅の狭いホームも印象的だったが、ハナから華やかさのない田舎らしい町に、私は惹かれていた。


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駅の反対から攻める。パークアンドライドの駐車場であるが、こちらへ降りる利用客も多いようだ。


駅舎側へ降り、木古内駅前と言えるあたりをあるく。

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木古内町役場。

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市街の商店はまばらである。近くに旭友ストアーもあるとはいえ、やや寂しい。文具店を兼ねた書店があったので入ってみる。新書があればと思っていたのだが、文庫の品揃えほどに新書は置いていない。三浦綾子作品が都会の同規模書店よりはるかに充実しており、「帰りこぬ風」を購入。客は雨と言うこともあり私ひとりだったが、書店店主に「学生さん?」と聞かれた(笑)。


海へ出てみたが、ここで雨が強くなる。波に飲まれるほどではないだろうが、車道が近く見通しも悪く、とりあえず退散する。

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木古内駅には、北海道新幹線の展示ブースが設けられていた。在来線はすべて新幹線に置き換えられる予定と言うが、知内駅はどうなるのだろうか*1


その後は函館へ出て、スーパー北斗で苫小牧へ。スーパー北斗は気動車のせいか、スピードの速さも相まって揺れる揺れる。函館駅ホームで安くなっていた鰊みがき弁当を食しながら、夜の特急街道をひたすらに駆け抜けた。


苫小牧着。幾度かめの、夜の苫小牧である。

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この日の宿はプラザホテルニュー王子。古いとはいえ、立派な設備のホテルでこの価格は驚異的である。1階はローソン併設で、至極便利。ただ、中国人客が多く、夜まで賑やかに過ぎたのが惜しまれるところだった。

*1 津軽今別駅は奥津軽駅になるからいいとして、知内駅を認めてしまうと、木古内駅が「北の玄関口」とならない、という説がある。

[trip][Train] 日高本線乗り通し

8時3分苫小牧発の列車で様似まで、日高本線を乗り通す。朝早いこともあり、駅弁は当然のごとくなく、のり巻をひとつ購入しておく。

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列車のボックスはすべて埋まっている。ロングシートの真ん中で、斜めに座って車窓を愉しむこととする。いろいろと盲腸線に乗ることが多いが、今回はその道の人(鉄ヲタ)が多いように感じられた。それも、40代を越えていると思われる、年季のある鉄の方々が多いようだった。感想は敢えてここに書くまい。ただ、世間一般から見れば、いくら鉄道だけを目的としていないとはいえ、私も同業種なのである。


日高本線は、苫小牧から出てしばらくは、工業地帯を突き進む。住宅地も多いようだが、そのあたりに駅はなく、工業地帯が終わりだした頃から駅がぽつん、ぽつんと現れる。優駿浪漫街道ともいわれる日高本線、馬が草をはむ姿も散見されるが、基本的には人家のある里を行く鉄路だ。


静内で停車。蕎麦屋でおにぎりを購入。海苔の風味が良かった。


終着、様似駅に到着。

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様似駅は明るい終着駅であった。

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[trip] えりも岬

様似からはジェイ・アール北海道バスでえりも岬を訪れる。役場の建物が素晴らしいえりも市街を越え、里山を幾度と越えると、そこはえりも岬であった。

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えりも岬。

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ひたすらに風が強い。岩が崖下へ落ちていく絶景もさることながら、強風のもといく、岬端への一本道が心に焼き付けられる場所である。

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襟裳岬・風の館を見学。

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バスの接続の関係で、私にとっては有り得ないことなのだが、えりも岬には3時間取ってあるのだった。普段はめったにみない、映画上映を受付の方にお願いする。立派なシアターだが、上演開始時間は有名無実化している。見る方も少なく、経費削減と相成ったのだろう。おかげで、2本連続で上映してもらうというVIP待遇にありつけた。受付の方が「映画上映しまーす」と館内にいる他のお客を勧誘していた。結果、3名で上映開始。映画が終わる頃には5名になっていた。

「えりも風土記」はえりも町にある7つの集落を取り上げていた。えりも町は、観光地えりも岬を抱えているとは言え、小振りながら漁業・林業・畜産業(種牡馬生産・酪農)を抱えており、強靱な産業体制が築かれているように見受けられた。それぞれの産業に課題があることは事実だが、第2次産業の誘致が望み辛い地方の末端自治体にとって、第1次産業と第3次産業に強みを持っていることはいかにも心強い。


昼にえりもラーメンを食す。立派な観光になってしまっている。

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塩ラーメンなのだが、海藻が美味しい。先日函館でRさんとお話ししたところによると、函館駅前の海鮮系飲食物を出すところは、地元では有り得ない価格で提供していることから、「ぼったくり市場」と呼ばれているらしい。函館市のようなところならともかく、都会在住者にとって、この手のところでお金を落とすのは正しいことなのだと、思うようになってきている。350円のコーヒーも注文した。

[trip][Train] 旧国鉄広尾線沿いに、帯広へ向かう。

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えりも岬から広尾まで、バス。湯水のようにお金がかかったことから命名された黄金道路のとあるトンネルを越えると、一気に雨の風景が広がった。道東へやってきたのだと、感じさせられた。

旧広尾駅

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旧国鉄広尾駅。鉄道資料館も併設されており、見応えがある。しかし、いかにもその道の人と思われる男性数人と、地元の女子高生1人がそろってバスを待つというのもまた異風景である。

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広尾線在りし頃の時刻表だろうか、随分と当時の息吹が残る旧駅である。


発車した。高校前のバス停から高校生が乗り込んでくる。立ち客が区間によっては出る程度の混雑で、村を2,3横断しての通学となる学生もいるようだ。


さて、旧国鉄広尾線といえば、幸福駅。そして、愛国駅である。「幸福から愛国へ」のきっぷは、相当なブームだった「らしい」 あくまで伝聞情報の範囲なのは、そのブームの時代を知らないがゆえである。是非訪れたいところだが、一度降りてしまうと90分待ちになってしまうこと、夜も遅いことから若干逡巡していた。しかし、一度愛国まで行って、幸福へ折り返すとある程度は効率よく回れそうだ。幸福駅は日没後の訪問になってしまうが、帯広に次いつ行ける機会があるとも知れない。今回、思い切って訪問してしまうこととした。

旧愛国駅

愛国バス停で下車。

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帯広市愛国町の集落の中心駅であることが、歩いてみて実感できる。鉄道記念館は既に閉館時間であったが、お手洗いを清掃中の地元のご夫婦に遭遇した。地元の方によって、整備されていることがうかがえる。

旧幸福駅

幸福駅へ移動。随分と距離のある移動となるのは、国鉄線2駅分ならでは。

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幸福駅の方が旧広尾線の車両が多い印象だ。しかし、帯広空港との道路も通じているとはいえ、人家の気配が少ない。駅舎の魅力とは別にして、駅がある土地としての魅力は、旧愛国駅のほうが上であると感じた。

[trip] 帯広は偉大なる村である。

20時間際に帯広着。長崎屋前で降りる。4階にある喜久屋書店へ。

素晴らしい。20万都市である帯広市にこれほどの規模の書店があるとは。しかし、如何せん客が少ない。盛岡のジュンク堂は、開店当初ということを差し引いてもより多少人出があったと思うが。

そもそも、長崎屋自体の客が少ない。往々にして、この手の駅前施設の衰退はイオンに代表されるロードサイト型の郊外大規模店が原因とされる。しかし、この長崎屋自体駐車場を抱えており、帯広駅へはマイカーでもアクセスしやすいように思われる。

帯広駅へ向かうバスにおいて、帯広の郊外型ショッピングセンターと考えられるイトーヨーカ堂へ、わざわざ敷地内に乗り入れていたが、そのバスから見た限りでは、イトーヨーカ堂の中も空いているのである。盛岡前潟のイオンも、盛岡南のイオンも、平日は似たようなものであった。休日は渋滞が起きるが、平日は駅前も郊外のショッピングセンターもがら空きというのが、地方の実態ではないのか。都会の平日の喧噪を見るにつれ、地方を壊しているのは中心商店街v.s.イオンといった単純な内ゲバ的構造ではなく、地方そのものに内在する構造的な問題、あるいは都市間に顕在するヒエラルキーバランスから生じる、我が日本のシステム上の問題であろうことが推測できる。

もっとも、地方の人間は、平日は職場からマイカーでさっさと我が家に皆帰っているのかも知れない。家族団欒が確実に実現できているのだとすれば、商店に閑古鳥が鳴いている地方こそが、人間的生活を謳歌しているのかもしれない。


と、時刻はここで21時。帯広駅へ向かう。帯広と言えば豚丼でも食したいところであるが…豚丼のみならず、よそ者が食するような飲食店が開いていない。

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中心商店街と思われるアーケードを歩く。早じまいする店は多いが、雰囲気は悪くない。

早々に店も閉まり、コンビニや全国チェーンの飲食店の少ない市街を歩いていると、個性的な個人経営の店が少なくないことに気づく。屋台村のような場所もある。スナックやパブがまとめて入ったテナントビルも見受けられる。東北で言えば八戸に似た感じか。

そんな雰囲気の出す店の中から、イタリアンを出す店に入る。21時を過ぎていたせいかチャージが必要なようだったので、珍しくシャンパンカクテルなぞオーダーしてしまう。今回の旅は、やたらとひとりで酒を飲んでいる。店はご夫婦で営まれている店のようで、家庭的な料理で楽しめた。ただ、一人で食事したり飲酒したりといった客は浮いていた気がする。

帯広は、まだ全国チェーンの店が進出していない「村」に、ホテルだけがびっしりと張り付いた印象を受ける。線路の南側に、駅併設、あるいは郊外型のスーパーが集中していることもあるかもしれないが、駅北の商店街は小振りな印象だ。川を越えてもっと散策すれば、また違った印象を受けるのかも知れない。寂れていて雰囲気が悪いと談じることも容易だが、歩けば歩くほど味が出る街と言えなくもない。

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この日の宿はホテルパコ帯広2。ホテルパコ帯広の天然温泉にも入りにいったが、1000円高くてもホテルパコ帯広に泊まった方が良かったかも知れない。

[trip] 夕張駅へ

帯広からスーパーおおぞらで南千歳へ。

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今夏ついに廃止されるまりもで乗ったことはあったものの、石勝線の区間を昼間走破するのは、今回が初めてである。

新千歳空港の旅

南千歳へ。ここから新千歳空港駅へ向かう。

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新千歳空港駅。今回の旅で、室蘭-東室蘭以外の区間はこの5年間の間に乗ったことになる。まだ南千歳駅が千歳空港駅だった頃に乗ったときの記憶は鮮明なものの、新千歳空港になってからの記憶がないため、念のための乗車である。

新千歳空港駅近くの売店で、生キャラメルを購入(花畑牧場産ではない)。食しながら南千歳へ戻る。

南千歳駅も、空港と反対側にアウトレットモールが出来たようで、変わりつつあるようだ。

JR北海道全線乗車達成

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この後は、新夕張駅行きの列車に乗車。山がちながらも広がる里をディーゼル車が力強く駆けていく。

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新夕張駅で乗換。新夕張駅で紅葉山駅の駅名標を見たかったが、接続の関係で叶わぬ夢となった。楓駅跡や登川駅跡含め、いつかゆっくり訪れたい。


さて、この石勝線夕張支線乗車で、JR北海道は全区間乗車である。夕張市街の、寂れたとは言えスーパーなども点在する町並みをひたすらに駆けていく。


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夕張駅到着。小さい終着駅だ。JR北海道全線乗車達成で、もっと感慨深いかと思っていたが、ちっぽけな新造の駅のせいか、直前に仕事のメールがケータイに入ったせいか、あまりにあっけないものであった。まだまだ乗っていない、行っていない駅はごしゃまんとあるのだ。夕張もまた、町めぐりのひとつの通過点である。

[trip] 破綻自治体・夕張をいく

夕張と言えば、まっさきにメロンが思い浮かぶような世代である。もとは、炭坑町だったのだという実感ははっきり言って乏しい。

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駅前は、マウントレースイがあり、ホテルマウントレースイがあり、セイコーマートがある。タクシーもきちんと客待ちしているし、普通の寂れた終着駅の姿である。


徒歩で夕張市役所へ。

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破産自治体の役場だから、電気も消して冷房も止めてもっと悲壮感にあふれるところかと思っていたら、そんなことはなかった。北洋銀行のATMが動き、きちんと電気もついており、地元のご老人方が市役所の若い女性職員を労う、人情味あふれた地方の役所ではないか。その情が自治体破綻へとつながったのだという言説は、あまりに酷だとおもう。


石炭の歴史村を見学。是非とも石炭の博物館を見たかったのだが、この歴史村に入るには「夕張ぐるっとパス」を購入しなければならないらしい。夕張美術館や北の零年ロケセットなども入れて3150円。…全部回りきることも出来ないので割高だが、夕張を応援したいという気持ちでチケット購入。


石炭博物館を見学。

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非常に内容があり、見応えのある展示。石炭で働く男たちの1日を写真パネルで説明していたり、北炭夕張新炭鉱ガス突出事故の展示、実際に炭坑へ降りて(実際はエレベーター)体験出来たりと、つぶすにはもったいない施設である。

園内には飲食店の跡地などもあったが、これらが博物館としてきちんと整備されていれば、元石炭の街としての夕張にとっても知的スポットとして評価が上がっていただろうに、と思われる*1


ぐるっとパスでバスに乗れる。これで夕張駅へ戻る。

レースイの湯にもぐるっとパスで入れるので、温泉でのんびりすることとする。このぐるっとパスは腕に巻いてもらう形式なのだが、このレースイの湯に入ってしまうと破らざるを得ず、前途無効になってしまう。いいのか、これで?

*1 それでも人を集めるのが難しいというのが悩みどころだろう。観光で食っていくというのは生半可な努力では出来ないのだ

[trip] 苫小牧の街【again】

夕張からはバスで室蘭本線の由仁駅まで移動。由仁から苫小牧へ移動するスケジュールにした。

夕張バス札幌急行便

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夕鉄本社バスターミナル。鹿ノ谷駅と清水沢駅の間に位置する。ある意味では夕張の交通の要衝だが、市役所と商業の中心地(清水沢)がリンクしないあたり、複雑な街の形成のなされ方がされてきたことが窺える。

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札幌への急行便で移動。札幌へ行く際は、途中で地下鉄に乗り換えてしまうと早く着くようだ。

道道3号線で由仁へ。途中、レースイのほうから来て栗山経由で札幌へ行く中央バスと同道だった。先を走っていた中央バスの方に随分と取られたのではないか、客を。

由仁-苫小牧列車移動

由仁で降りる。

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由仁駅前。これもまた堂々たる北海道の駅前である。これくらいの規模の街は、落ち着く。


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室蘭本線で、苫小牧へ移動。


きょうは高校時代の友人O君と5年ぶりくらいの再会である。O君はまだ勤務中とのことで、長崎屋とイトーヨーカ堂を見学。長崎屋1階のロッテリアでコーヒーを飲みながら本を読み、待つ。

結局O君は、仕事を途中で抜け出して来てくれた。

O君に連れられて、苫小牧の盛り場の居酒屋で飲み食いする。

互いに東京の高校を出たはずなのに、岩手へ行ったり北海道へ行ったり、思いも寄らぬことを歩んでいるねという話で盛り上がった。O君もまた鉄道好きで、新夕張までインプレッサを駆って新得まで鉄道で行くということもしているらしい。それでも、お互い結婚の話などもするようになっていたのには年月の経過を感じた。

O君と名残押しながらも別れ、苫小牧駅へと向かう。

本来はこの日、旭川宿泊予定だった。夜になれば念のためキープしている部屋も放出するだろうと踏んでいたのだが、旭川駅前のホテルは軒並み満室。しかたなく、ケータイから楽天トラベルで札幌駅近のホテルを予約。

[trip] 旭川へ

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この日の宿はホテルクレスト札幌。駅から1分の好立地だが、ここはスパリゾートハワイアンズの運営らしい。リーズナブルな値段で広い部屋。ホテルは値段に因るものだと実感。

朝起きたら9:40。目覚ましをかけなかったこともあったが、ずばり寝坊である。朝食が10時までなので、急ぐ。

今回目覚ましをかけなかったのは、この日ゆっくり寝ないと、休み中ゆっくり睡眠することが出来ないまま出勤日が来てしまうことにあった。この日の朝食バイキングは流石のラインナップ。


スーパーカムイに乗車。3年前の北海道旅行の時は、さんざ札幌-旭川の間をスーパーホワイトアローやライラックで乗ったものだが、スーパーカムイになってからは初めての乗車である。

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旭川駅着。旭川駅は高架化工事の真っ最中。今の旭川駅を見ることが出来るのは、この旅で最後かも知れない。

[trip] 三浦綾子記念文学館と見本林

この旅の主題とも言える、三浦綾子記念文学館と外国樹種見本林をいよいよ訪れる。


バスで移動出来る筈なのだが、駅の観光案内所でもらった地図を見る限りではバス停の位置が分かりづらく、決心してタクシーで*1。神楽の町も、ホーマックやらドンキー(ハンバーグレストラン・びっくりドンキー)が点在し、岩手を思い出すようなラインナップですっかり都市化している。

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到着。林の入り口にちょこんと建つ。

入館。展示をゆっくりと見る。改めて気づくのは、20代・30代の若い闘病時期とは別に、「氷点」後の作家活動をされていた時期もまた病気との兼ね合いのもと創作活動がなされていたという事実だ。書き込みが多くなされた聖書も目を惹いた。やはり、聖書は書き込みしながらでないと読み通せない類の本だと思う。2階に多数置いてある氏の著書やビデオのコーナーは、滞在時間の兼ね合いもあり長居ができなかったが、コミカライズされた氷点が印象に残った。


雨も強いが、見本林をしばし散策する。

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ルリ子が殺されたのも、陽子が北原と出会ったのも、陽子と徹が鬼ごっこしたのも、そして陽子が自殺したのも、あるいは順子が真実を知り崩れたのも、この見本林なのだと思うと感慨深い。雨が降っていることもあり、歩く人はまずいない。三浦光世氏が是非見て欲しいと言ったのも当然のような、歩いていると思索が整理される静かな佇まいの林である。

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見本林には、小動物もいた。30万都市旭川駅から車で10分とかからないのである。

雨のせいで坂がぬかるみ、見本林を通って美瑛川に出ることが出来なかった。この記念館と見本林だけは何度でも来たい。


見学を終えバス停へ出るが、予想通りというか1時間に2本しかない。やむを得ず歩いて戻っていると、ちょうど空車のタクシーが。すかさず手を挙げ駅前へ戻る。せっかくなので青葉か山頭火でラーメンでも食べてこようかと思ったが、どちらも見つからない。「一蔵」で正油ラーメンを食べた。満足できた。

旭川西武の三省堂へ寄る。しかし、旭川西武のA館も建物に年季がだいぶはいってきているようだ。ロフトや無印も入っているのだが、平日と言うこともあり全般に人が少ない。旭川の三省堂と言えば、最北の(大規模)書店というイメージも強かったが、どうだろうか。


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旭川から札幌へ、スーパーカムイのμシートで戻る。ヘッドレストの部分が豪華なのは確かだが、隣に人が来る確率は自由席より高く、どちらを取るかは悩ましいところだと感じた。

*1 前の鹿児島行であまりにもタクシーに乗ってしまったので今回は控えようと思っていたのだ

[trip][Train] 夜行寝台特急・北斗星

札幌駅でお土産を買い、ホームへと上る。駅のホームには家族連れでいっぱいだ。

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機関車2連の堂々たる勇姿。華々しく北海道の旅を終えることになりそうだ。


東京に住む人間にとって、北斗星と言えば北海道に行くとき上野から乗る列車である。今回敢えて上りで乗ることになったのは、無論「ぐるり北海道フリーきっぷ」の継続乗車によって、きっぷをフルに有効利用するためである。これで6日目も改札を出るまでは利用でき、北海道にフルに居ることが出来るわけである。

しかし、今回はB寝台ソロを押さえることが出来なかった。なにせ夏休み期間中の北斗星、生まれて初めて乗車日の1ヶ月前にみどりの窓口で10時打ちをお願いした。10時打ちをお願いできそうなくらいの空いている窓口で、かつ熟練者がいる窓口を探し出してやってもらったのだが、なんと逆向き(上野→札幌)を間違って最初に取るという罠にかかり、開放型B寝台しか取れなかったのだ。

その後、2日前のキャンセルをねらってみどりの窓口に何度と足を運ぶも、ことごとく「満席ですね」とのこと。当日も旭川で訪ねてみるも「満席ですね」と言われいよいよ観念、諦めて開放型B寝台の旅を味わおうと思っていたのだが。。。


いわくつきの森駅を出た頃だろうか、車掌氏がやってきて、席を変わってくれないかと言う。基本、寝台列車では別して席交代などには協力したい主義なので、応じると……用意されていたのはソロだった。なんという展開であろうか。何でも、対面に座っていた外国人母娘が、対面に男性が居るのは何らかの理由で(おそらくは宗教上の理由だろうが*1)NGということらしい。…そんなんでずっと札幌から席にいなかったのか、そもそもB寝台はそういうものなわけだが、どこからどうやって開放型B寝台の寝台券を手に入れたのだろうか…謎は尽きないのだが、とにかく個室寝台である。

こうして、開放型B寝台とB寝台(ソロ)の両方を味わうことが出来たのであった。


あとで気づいたのだが、ソロに移動する際、ディナータイム中の食堂車を荷物背負って車掌の後ろについて移動するという快挙を成し遂げていたのであった。 家族でディナーを楽しまれていた皆様にとっては、とんだ連行者として認知されていた可能性がある。このことは、あとで面白可笑しく周りに触れて回ったことは言うまでもない。


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列車は函館駅へ入線。皆駆ける駆ける。富士の時もそうだったが、いまやテツにかぎらず、老若男女皆が機関車付け替えでダッシュするようになった。もっとも、仙台までで最後の停車。軽く歩いて運動するために私もホームへ降りた。

列車は次の日にならないうちに青函トンネルを通過。B寝台ソロに座ると、蟹田で乗務員が交代し青森駅には入線しないため、ずっと進行方向逆向きで走ることになるのが惜しい。本を読みふけるうちに、列車は青い森鉄道の駅名標が見えるあたりにさしかかってきた。ここでいよいよ眠くなり、三戸を過ぎたあたりで寝た。まぶしさに目が覚めるとそこは仙台。生まれて初めて岩手を完全に素通りしていた。

食堂車で何か食べようかとも思ったが、とくに空腹感も感じず。そのまま上野駅へ。


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上野駅着。また日常がはじまる。

*1 決して、この私の素行や肉体的理由ではないと信ずるものである

[trip][雑感] なぜ北海道へ行くのか

私にとって北海道は、片親の出身地であり、その縁もあり小さい頃から幾度と訪問していた。思えば、今回の北海道行は高校の修学旅行以来、2度目の親戚に関わらない北海道旅行である。


東北は、私にとってルーツと言えなくないこともあり、6年間岩手に住んだこともあって故郷でもあると考えている。だから、行けば安らぎを得ることは出来る。それでも最近東北へ行くことを遠慮しているのは、私の知らない岩手のような場所が、日本のどこかにあるのかもしれないと考えているためだ。それとは別に北海道へ惹かれるのは、人が根付こうとした痕跡を、北海道の地に看ることが出来るゆえだと思う。


疲れたとき、無性に北へ行きたくなるのだ。現実逃避の行き先が北かよとツッコミはあろうかもしれない。それでも、東北6県と北海道というのは外れがないのである。関東に住んできた人間として、共通の価値観が西日本よりも多いのかも知れない。


ただ、今回は以前ほど感動を旅行で覚えなかったのも事実だ。そろそろ旅のしすぎで刺激が薄れてきているのかも知れない。これ以上の刺激を求めて海外に旅立たなければならないのか、いい加減滞在型リゾートを求めて安楽の地を探すべきなのか、やはり考えることは尽きない、北海道行なのであった。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

maksim727 [プラザホテルはたしかに安いですね。 ただ、エレベーターの隣の部屋はうるさいかもしれません。 そこに当たらなければ、函..]

ettie [コメント有り難う御座います。 たしかにエレベーターも年季が入っていて、隣であれば機械音が響くかも知れませんね。あとは..]


2008/09/04(Thu.) いつか見てろ! [長年日記] この日を編集

[Place] 「スキップ スキっす。」

http://nakanobu.exblog.jp/7621935/で、都営浅草線中延駅の中延スキップロードの広告を新しくするのでコピー募集という記事が出たのが4月。ちょうど中延駅も絶賛工事中だったので、どうなるか楽しみにしていたら、こうなった*1

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やわらかい絵に「スキップ スキっす。」という、脱力系ながらもほんわかとさせられる癒しの広告が出来上がった。スキップの中文表記はそのまま。スキップロード=中延商店街そのものがスキということに加え、スキップしたくなるような浮かれ気分がスキとも取れる、キャピっとした気分を中高年らしく可愛く表現した素敵な広告となった。

せわしない朝の、ほんのり目が覚めるひとときになりつつある。

*1 切り替わったのは8月中旬くらいだったか


2008/09/13(Sat.) 全力ダッシュ!! [長年日記] この日を編集

[Diary] 気分を変えたいときに行く場所

みなとみらい駅ホーム

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2008/09/27(Sat.) 対人恐怖症 [長年日記] この日を編集

[Diary][Train] 逆噴射小トリップ:浦和美園編

最近、どうも仕事でうまく行かない。そんなときに駆られる、帰宅時に逆向きの列車に乗ってやろうという衝動。…次の日に差し障ると行けないので休前日しかできないわけだが(←チキンすぎ)、そんなわけで南北線-埼玉高速鉄道に乗って浦和美園へ行ってみた。

溜池山王駅から鳩ヶ谷まで立ちっぱなし。混雑と言うほどではないけども、郊外へ延びる路線として活躍を果たしているようだ。ただ、郊外に延びる路線というと必ず急行に乗っていた身としては、各駅停車で47分というのが結構堪えた。


終点・浦和美園到着。

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一応終着駅だが、引き込み線の向こうが充実しており、あまり行き止まり感は味わえない。


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見事にレッズ一色のホーム。しかし、Jリーグ初年度の連敗記録を思い起こせば、レッズがここまでの人気チームになったというのは本当に感慨深い。


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駅の周りは、以前ほどではないのだろうがまだ空き地が広がる。まだ「ポツンとある駅」の名残を残しており、現実逃避にはもってこいだ。…とはいえ、バスの便もそれなりにはあるようだ。


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イオン浦和美園ショッピングセンター。休日は絶対に人と車でごった返しているのだろうが、平日夜はそれなりに空いているのは都心部のイオンでも同じようだ。


[Diary][Place] 平和祈念展示資料館へ行く

祝日、ミッドタウンに出かけた勢いで、ジュンク堂新宿店へ。その途上の大江戸線車中に、平和展示記念資料館の中吊り広告が。高校時代、小田急の車中でもたびたび見かけた水木しげる画が印象的なポスターだ。歴史への興味が近現代史にも向くようになって、一度は行ってみたいと思っていたのを、決行することにした。


新宿住友ビルの48階へ。

3部構成中、恩給欠格者のコーナーは戦時の兵営の内容がメインで、こちらは意外と語られる場所が多いと思うのだが、残りの2部、シベリア抑留や戦時引き揚げの内容というのが意外と知り難いものである。人にお勧めできる内容認定できる入場無料スポットだと感じられた。

この手の「平和祈念館」系の施設は、その歴史観が問われることが多い。ここはフロア冒頭の戦史年表部分も1927年のほう南京事件のほうは単語として載っていたけど、1937年のやつは「南京入城」となっていたから保守系なスタンスの施設なのだろう。館内のビデオには田久保忠衛が出ていたし。恩給欠格者の辛苦を労い、その事績を語り継ぐ施設なのだったらそれにあわせた解説にしてくれればいいと思う。ただ、関連資料館として独立行政法人平和祈念事業特別基金から支援がされている資料館には、進歩的な史観に基づくところも入っており、そういった考え方で対立しているとしても根っことしてはいかに戦争を回避するか、平和を維持するかというあたりで一致しているのだろうという気がした。

帰りは51階の展望スペースに立ち寄って都庁を見てきた。

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[Diary][Place] 東京シティビュー、スカイアクアリウム@六本木ヒルズ

ひょんなことからスカイアクアリウムへ。


はじめて見るヒルズからの夜景。光量・スポットの多さから超弩級の東京夜景が広がる*1

スカイアクアリウムを見学。

なんでも「サンクチュアリ」的な観点から企画されたともあるが、こうして水槽の魚をみていると熱帯魚飼育やってみたくなっちゃいますね。

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ペリエカフェで一杯。ケータイクーポンのおかげでこれで2500円。お買い得*2

*1 デジカメ持参しなくてキレイな写真をとれなかったので写真掲載は見送る

*2 企画・お誘いありがとー


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