2005/05/02(Mon.) 幸薄き女の行進曲 この日を編集
2007/05/02(Wed.) 君には正直、失望した。 この日を編集
2020/05/02(Sat.) 踏み台 この日を編集
■ [Review][Book] 砂川雨路『ご懐妊』がやたら面白い
これは昨年の夏のことか。街歩きの一環でリブロ江坂店を訪れていたら、気になる本を見つけた。
絵に惹かれた、というやつだ。文庫を手に取ると、所謂デキ婚系の小説のようだ。「苦手な上司とデキ婚」ってそんなことあるのかよ、と思いつつ、表紙絵に惹かれるものがあった。ジャケ買い……すれば良いのだが、基本は電子書籍があるか確認して買う制度になってしまっており、リブロで買うことは無いのであった。結果、電子書籍があることが分かったのでそちらで購入。
購入して半年は経っていたか。或る日読み始めたら一気に読んでしまった。ちょうどその時期に電子版でも続巻が出たので仕事帰り深夜0時から読み始めて2時間で読了。久々に何度か読み返してしまった。
ここから先はケータイサイトで先行して読んでいたのだが、4/28書き下ろし含めた新刊がようやく発売……が電子書籍は5/1販売開始なのであった。
元は小説投稿サイト・ベリーズカフェの人気ノベルの書籍化のようだ。ケータイ小説の系譜を引いていると言える。スターツ出版文庫版ではかなり手を加えていて、読みやすくなっている*1。文体がハマるものがある。人物も必要最低限ながら各人良く描けているのだ。恋愛要素もあるのだけど、普通の出産ものというのは存外少なく、未婚子なしだと聞き及んでいること知らないこと諸々あり、興味深く読めてしまった。歴史小説だと、「恋愛が後付け」というケースは多々あるが、現代小説ではケースも少なく、意外と穴場がそこにあったかもしれない。一方で、出産までと育児はあるあるで、経験していないと発見が多いし、経験していると懐かしみも多いかもしれない。この感じで小1の壁とかあらゆるテーマかがかけそうだが、第3巻で内容は完結。惜しいけどこればっかりは筆者の心一つだよな。
電子書籍では出会うことはなく、リアル書店に新刊が並べられることがなければ出会ってない類の本だった。これだから紙の本は捨てがたいのだが、手元にストックすることが残念ながら出来ないのだ。どうにかしてセレンディピティ代を還元したいものなのだが。
蛇足:本当普通に面白い小説なのだが、twitter検索すると「小説 砂川雨路の「ご懐妊」出産に関心あったのでサクサク読めました(*´ω`)」という書き込みが複数アカウントでコピペされているように見える。このマーケティングだけが惜しい。
(追記:2020/5/15)OpenBDに書影が登録され、「(仮)」がついていた書籍名も更新されたようなのでGoogleBooksからOpenBDに書影を切り替えます。2巻とか少し経ったタイミングで(笑)
*1 第1巻だとケータイサイト側に削られたエピソードが多数あり、それはそれで面白い。2巻はほぼそのまま、3巻は逆に文庫側に書き下ろし多数という形態。
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