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2019/08/20(Tue.) 折り返し地点 [長年日記]

[Review][Book] 村尾信尚『B級キャスター』を読んだ。

Kindleで小学館50%ポイント還元ということもあったのだが、テレビのニュース番組ものの書籍は好きなのである。

B級キャスター
村尾,信尚,1955-
小学館
¥1400

正直驚いたのは、氏は「NEWS ZERO」でハード路線、硬派なニュースを伝えたいという思いを持っていたということである。正直、ハード路線なら「きょうの出来事」をずっとやっていてくれれば良かったのだ。てっきり、日テレのエンタメ・ワイドショー化に乗っかるイエスマンとしてのキャスター就任かと思っていた。

気になるのは、何度か出てくる「日本をよくするためにキャスターになった」という氏の思いだ。1990年代にアンカーマンがコメントをすることについて、「筑紫哲也 ニュース23」や久米宏の「ニュースステーション」は叩かれていた。ジャーナリズムとの乖離・ギャップ・日本特有のニュースショー形式の是非。ストレートニュースこそ正しいのだ、あるべき姿だ。そういった議論があった世界からかけ離れた位置に氏はいるように思える。同著には芸能ニュースをトップに持ってくる日テレ制作側のロジックも紹介されていて、なるほどとも思う。正直、事実だけを伝えるジャーナリスティックなストレートニュースでは、筑紫哲也が『ニュースキャスター』でいう存続視聴率が達成出来ないことになる。


村尾信尚がメインキャスターとしてNEWS ZEROチームをまとめていた感じはオンエアからも伝わってきていた。「きょうの出来事」原理主義ながらも23時ニュースは日テレを基本線とした*1のも、特集の硬派さがきょう出来を思い出させてくれたからだ。キャスター陣との交流も同著にはあるが、本人たちの努力に加え、氏や番組制作陣がよくお膳立てだったり協力していたと見えた。何よりも、選挙特番の時の首相への事実上の財務省代表質問は好きだった。「NEWS ZERO」は民放王者の日テレに相応しい夜ニュース番組であることは素直に認めざるを得ない。視聴者迎合のニュースショーでなく、氏の所々の一本筋を作る編集人としての役割は評価せざるを得ない。

*1 まあ、テレビの視聴習慣がまず薄くなり、なにより其の時間に在宅しないことも増えたのだが


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