2008/06/15(Sun.) ばばくさいだって? [長年日記]
■ [Train] 「文字の大きな時刻表」を買ってみた
今回の鹿児島行では、いつものコンパス時刻表ではなく、「文字の大きな時刻表」を買ってみた。内容はコンパス時刻表と一緒である(現に「コンパス時刻表」の同月号の別冊になっている)。
しかし、結果としては失敗だった。バスも使う旅行であれば、同じサイズでJR時刻表を買えばそっちものっているのに、と歯がゆくなる。また、大きな荷物をコインロッカーに預けたあと、手荷物だけを入れる鞄の選択肢を狭めることになる。手軽に取り出すわけにはいかない。探訪先でバス時刻表と照らし合わせるときに少しばかり参った。もう二度と買うまい。そう思った。
だが……
家に帰って東京時刻表を見てみると、そのあまりの文字の小ささに耐えられない! キーッ!! そう、文字の大きさにすっかり飼い慣らされてしまっていたのだ。どうにかならないものか。。。
■ [mono] GR DIGITAL II見参!
鹿児島行を控えて、GR DIGITAL II買ってしまいましたよ。7万円切って18%ポイント還元*1なんだもん。
場所によってはちょっとズーム欲しいかなと言う場面はあったものの、欲しいズームって35mmフィルム換算で40mm程度なんだよね。むしろ、夜フラッシュ焚かないで撮れることが多くなり、大いに助かった。もっとも、マニュアル操作できるカメラがオリンパスのC-3030ZOOM以来で、ちょっと惑い気味。お勉強しなくちゃ。
実は、テツが最近増えたせいで、駅なんかでシャッター切ってると同列っぽくて俺の中の心情的にイヤだったんだが。GR DIGITALの黒いフォルムを携えて構えると、「俺はこいつらと違う」って思えてくる……そう、区別をつけたがるのがオタの証左って話もあるが、とにかく街中で構えていてもサマになる。貴重な旅先携帯カメラだった。俺のベストチョイス!
リコーは大人のデジタルカメラ。ノイズが多い? そうゆう潔癖症な人はみんなで仲良くIXY使ってなさいってこった。
*1 カードの2回払いで買ったのでマイナス2%
■ [Essay] 母校の文化祭を見に行って驚いたこと
これは昨年9月の話である。
久方ぶりに、出身高校の文化祭を見に行ってきた。出身高校は中高一貫の私立男子校なので、出身中学でもある。サンデー毎日で目立たない程度に話題になる学校とだけ書いておく。私は、そこの学校で青春時代を過ごしたが、体育部には属さず、文化部、それも同好会に属していた。その同好会では、文化祭で展示を行うことを活動の第一としていた。ベニヤ板を合板してパネルを自分たちでつくって、説明用パネルを作るのである。模型をつくり、パソコンゲームや映画を作成し、文化祭来場者に見てもらうわけだ。
その同好会が、存続の危機に瀕しているらしい。自分らがいた頃には、高2から中1まで30人に迫る勢いだった会員数も、今では4人になってしまったのだそうだ。少しばかり心配になって、見に行ってきたという次第だった。
さっそくその同好会の展示を見に入ってみる。見に来ている人はきちんといて、「最悪の事態」ではなかったことに安心した。もっとも、映画やらステンドグラスやら教室の外の装飾などは流石になりをひそめ、射撃のようなゲーム系のアトラクションで客を集めているようだった。まじめな展示も残ってはおり、会員数が少なくなったせいかパネルはA3用紙にワープロで印刷したものをそのまま掲示していた。少ない会員数、さもありなんと思っていた。
私たちが現役の会員だったころにつくっていたパネルというのは、それはそれは手間がかかるものだった。ワープロ→パソコンで原稿の文字を出力し、その出力した字体の下にカーボンを敷いて、東急ハンズで買ったA1サイズの紙に「レタリング」するのである。ちなみに、自分は中1の時、へたくそすぎるってことで、高2の先輩に「お前はやるな」と言われたのであった。A1の紙もカラーの紙で、ポスターカラーをうまく合わせて、できあがりは大変キレイ。「起承転結」の展示に従って、色合いは変える。このレタリングでつくっていった「パネル」はお客様(文化祭来場者)に大変好評だった。
そんな手間のかかる作業が、総会員数4人では出来るわけがない。MS明朝で無味に出力されたA3用紙を見ながら寂しさを感じながらも、今の同好会の苦難に同情を禁じ得なかった。
だが……
他の団体を見て回って驚いた。会員数が全然減っていないような、鉄道研究会だとか地理部だとか、そういった団体ですらこの「レタリング」を放棄してA3出力をしているのである。……いや、自分たちの頃も「レタリング」を丁寧にやっていたのは、すべての部ではなかったが、そういう団体も大きい模造紙に手書きで展示用パネルを作っていた。それを、A3でWordかなんかでつくったドキュメントで済ましてしまっている。物理部や地学部といったあたりですらも、A3印刷で済ましていた。文化祭の来場者は多い。オタク気味の我々の団体ですら、往時は人でごった返していた。A3程度の紙では後ろから見えないのである。私たちの頃に「パネル」と言っていたものが残っていると言えるのは、大衆賞(お客様の投票数No.1の団体に送られる賞)常連の化学部くらいだった。
私は、こんなんでこいつら大丈夫か?って危機感を感じずにはいられなかった。
なんで、母校の生徒たちはMS-Wordで良しとしているのか。Adobe IllustratorやInDesignを使えとは言わない。Microsoft Publisherくらい家のパソコンにある家庭は(私立に子どもを行かせることができる家なら)あるだろう。なぜみんなMS明朝やMSゴシック、POP書体で良しとしているのか。格安のDTPソフトだっていくらでもあるはずだ。
学校の情報関連の授業でWordを使う授業があるのかもしれない。学校で出力できるプリンタがA3までにしか対応していないのもあるかもしれない。だが、探せば格安の料金で 最悪、A3用紙を切り貼りして重ね合わせることくらい出来るではないか。学校のプリンタで済ますのならフチを切り取ればいい。だいたい、私立の中学校に子息を送り出すような家庭である。、縁なしA3印刷が出来るインクジェットプリンタを持っている家庭が絶対にあるだろう。さらに言えば、大判印刷を文化祭前に発注するくらいの部費は各部あるはずである。同好会で、部費が学校から降りなかった我々クラスの団体でも、そのくらいの会費はあっただろう。なぜそれくらいの知恵も出さないのか。
中学生、高校生なら「デザイン」ということに目覚めないのだろうか。いや、カッコいいパワーポイント資料、カッコいいWord文書を作りたい。そうパソコンを使うのであれば誰しも思うはずだ。男子校だから女の子に目を気にする奴が全員でないことは出身の俺もよく分かる。でも、なぜ他者の目をそこまで気にしない?
結局は、文化祭というものに彼らがそこまでのめり込む余地が今やないのではないか。そのような結論となる。今はインターネットもあれば、ゲームも楽しい。もしかしたら、単純に勉学が楽しいかもしれない。でもな、後輩諸君。君らが行くような大学に行って、地方の県No.1の公立高校を出た飛びきり優秀なヤツにどうやって敵おうとしてるのかな。彼らとの一番の違いは、高校受験がないぶん没頭した何かに存在する、人間の深みなんだよ。
創意工夫で悩み苦しむことなく、専門職に頭脳をフル回転できるのだとしたら、確かに資源としては優秀な物言わぬ資源かもしれないがね。
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